トヨタ4ランナーに「ベンチャー」登場 海外で進化続けるハイラックスサーフ
北米トヨタはSUV車の4ランナーに、スペシャル・エディションとなる「ベンチャー」を投入した。4ランナーは、日本では高い人気を誇りつつ2009年に販売を終了したハイラックスサーフの海外仕様車で、強固な構造による高いオフロード性能を武器に、現在でも進化が続く。
♦︎オフロード性能アップ、汚れてこそ美しいベンチャー
4ランナーは険しいオフロードでこそ本領を発揮するSUVであり、この特徴をさらに引出したのがスペシャル・エディションのベンチャーだ。米カー&ドライバー誌(6月22日)は、「SUVには、汚れてこそ見栄えがするものがある。(中略)このスペシャルエディションの2020年型トヨタ 4ランナーは、そうしたSUVのひとつだ」と述べ、泥や土埃にまみれてなお美しいその姿を讃える。人気のオフロードスタイルである4ランナー TRD プロをベースに、ルーフキャリアとしてヤキマ メガウォーリアーを標準装備した。
このほかにもTRDプロ譲りの機能として、電子制御の後車軸デフ、路面の状況に応じて最適な走行モードを選択可能なマルチテレインセレクト、極端な悪路において低速制御を行うクロール・コントロールを搭載し、オフロードの走破性を高めている。一方で米モーター・トレンド誌(6月24日)は、ベンチャーならではの最も注目すべきオプションとして、トヨタ独自のキネティック・ダイナミック・サスペンション・システム(KDSS)を挙げる。タイヤの空転を検出した際、サスペンションの一種であるアンチロールバーを水圧式の制御によって切り離すもので、1750ドルで追加可能だ。同誌はステアリングの反応などに若干の不満を漏らしつつも、「それでも4ランナーのKDSSは、乗り心地をスムーズにするうえで驚くべき仕事をしている」と述べ、その衝撃吸収能力を評価している。