スマホ位置情報、コロナ対策に活用 欧米でも理解広がる
携帯の位置情報などの活用が、中国や韓国での新型コロナウイルス封じ込めに大きな成果を上げたと言われている。こうしたデータに国家がアクセスすることはプライバシーの侵害だとして欧米では否定的に見られてきた。しかし被害が急拡大するなか、感染防止のためならプライバシーや自由の制限も仕方がないという考えが受け入れられつつある。
◆公共の利益優先 各国が携帯データ利用
新型コロナウイルスの感染を遅らせるため、中国では厳しい都市封鎖や自宅隔離に加え、携帯電話のデータとアプリを用いて、市民の動きを追跡し制限した。街角に設置された監視カメラと顔認証技術を用いて、個人の行動まで把握している。こういった政策は人権団体などに批判されたが、実は多くの政府が中国に追随するように、プライバシーの侵害とも取られる政策を取っている。
もっとも進んでいるのが韓国だとビジネス・インサイダー誌は指摘する。個人の携帯の追跡情報を活用した地図が公開されており、感染者と遭遇したかどうかがチェックできる。クレジットカードの記録や、対面インタビューも利用し、感染者がたどった過去の経路が地図でわかるようになっている。韓国の疾病管理予防センターの所長は、こうしたサイトが自由の侵害に当たることは認識しているが、公共の利益は他者を感染させる疾病に対応する際には人権よりも重視される傾向にあると述べている。携帯データの利用は、台湾、シンガポール、イスラエルなどでも行われている。
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