ASEAN識者の見る日本「最も信頼」「米中に代わるパートナー」 シンガポール調査
ASEAN諸国の識者などを対象にした調査において、もっとも信頼できる主体として日本が1位に選出された。経済力の拡大が懸念される中国と、対中国に忙しいアメリカに代わり、頼れる第三の協力相手として有望視されている。
♦︎日本のリーダーシップに期待
調査はシンガポールのシンクタンクである「ISEAS」が昨年12月にオンラインで実施したもので、ASEAN加盟10ヶ国のすべての国から、計1308人分の回答が寄せられた。調査対象者は政府機関関係者、学術研究やシンクタンク、NGOなど、5つの専門的職業分野から抽出されている。
各国の影響力や信頼性などを問う設問が並ぶなか、「日本が世界の平和、安全保障、経済的繁栄および統治に貢献すべく、『正しい行いをする』ということを、どれほど信頼しますか?」という設問において、「非常に信頼する」「信頼する」と答えた回答者の割合が計61.2%に上った。ほかの主体に対する信頼度はEUが38.7%、アメリカが30.3%、中国が16.1%となっており、唯一日本だけが過半数の回答者から信頼を得た形だ。
このうち、日本を「非常に信頼する」「信頼する」とした回答者に理由を尋ねたところ、「国際法を遵守する責任ある主体だから」が約5割でトップとなり、遵法精神が評価されている。続いて「日本の文明と文化を尊敬するから」および「多様な経済資源と世界的なリーダーシップを取る意思を持っているから」がそれぞれ約2割という結果になった。
そのほかの設問の結果としては、自由貿易推進へのリーダーシップを期待できる主体としても、EUを上回り1位に選出されている。一方、ASEAN諸国における日本の経済的および政治的影響力を評価した回答者は少数に留まった。
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