ASEAN識者の見る日本「最も信頼」「米中に代わるパートナー」 シンガポール調査

出典:首相官邸ホームページ

♦︎背景に中国への警戒心
 現地シンガポールのトゥデイ紙(1月16日)は日本への信頼度が高いという調査結果を受け、「戦略的パートナーとしてのアメリカへの信頼が衰退し、(アジア)地域における中国の影響力への非難が高まるなかで、日本はASEAN諸国が頼ることのできる思いがけない政治主体かもしれない」と報じている。強い存在感を見せてきた米中への信頼が揺らぐなかで、信頼のおけるパートナーとして日本にスポットライトが当たった格好だ。

 実際に調査の結果からは、経済面での中国の影響力の大きさと、それに対する各国の警戒心が浮き彫りになった。東南アジアで最も影響力のある経済主体を問う設問においては、79.2%が中国と回答した。一方、中国の影響力をどう見ているかという問いには、7割超が懸念していると回答している。歓迎すると答えた回答者の割合は3割未満に留まった。

 政治面でも中国の影響力は大きい。自国に最も大きな影響を与えている国家を問う設問では、52.5%が中国だと回答した。一方、こうした中国の政治的影響を懸念する回答者は8割超に上る。

♦︎アメリカ依存への危機感
 これまで強い存在感を示してきたアメリカに対しても、ASEAN諸国の人々の関心はゆっくりと薄れつつある。調査結果によると政治的影響においては、中国に続き26.7%で2位に君臨する。しかし5割以上の回答者が、この状況を危惧していると回答した。

 トゥデイ紙はこのような拒絶反応を、現時点で米中対立の只中にあるためだと理由づけている。アメリカは中国を注視し、ASEAN諸国との関係性には十分な注意を払っていない状況だ。さらには「アジアへの回帰」を掲げたオバマ政権が終わりを告げ、2016年にトランプ大統領が就任して以来、アメリカとASEANとの関係が希薄化していると指摘する専門家も多い。

 調査ではさらに踏み込み、「米中の政治対立による不安定な状況を鑑み、仮にASEANがリスク回避のため『第三者』を探すとすれば、ASEANの戦略パートナーとしてもっとも好ましく、かつ信頼できると思える主体は?」と質問している。結果、トップに挙げられたのは38.2%が選んだ日本で、31.7%で次点となったEUとの二強状態となった。米中対立でASEAN諸国との関係が揺らぐなか、頼れるアジアのリーダーとして日本に熱い視線が注がれている。

Text by 青葉やまと

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