中国・長江で10年禁漁 持続可能な漁業への意識、日中で差も

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 中国は、今年1月1日に、長江での10年間の禁漁を開始した。生態系を守り、乱獲で減少した水産資源の回復を目的としている。習近平主席は、すでに長江の資源は枯渇に近い状態だと発言しており、国を挙げて対策に取り組む決意だ。一方日本では水産資源の減少が深刻であるのにもかかわらず、持続可能な漁業への支持がかなり低いという調査結果が出ている。

◆人間の活動が壊した生態系 禁漁は切り札
 長江は長さ6300キロのアジア最長の川だが、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)によれば、近年漁業資源量が低下し、生物多様性も悪化しているという。中国政府は、資源回復のため2003年から、春の3、4ヶ月間だけを禁漁としていた。しかし禁漁期間が終わるや否や、漁民がすぐに魚を取りつくしてしまい、十分な効果が得られなかったという。

 中国国営新華社通信によれば、今年から長江流域の332ヶ所の保護地域で禁漁となり、2021年の1月1日までには、長江のすべての天然水路と主要な支流も禁漁となる。長江は、長らく乱獲、汚染、ダム開発などの人間の活動によりダメージを受けており、10年間という長期の禁漁が資源と生態系回復の切り札になると期待されている。

Text by 山川 真智子