中国・長江で10年禁漁 持続可能な漁業への意識、日中で差も

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◆漁民は廃業でも川を守る 政府の堅い方針
 10年の禁漁により、川沿いの10省で漁をする28万人の漁民と11万隻の漁船に影響が出るという。政府は漁民に対し社会保障と経済的援助、また新しい職を見つけるための訓練を約束している(新華社)。船は陸に上げられるか、破壊され廃船になる。消費者への影響も気になるが、長江の漁獲量は淡水魚全体の0.32%ということで、大きな問題にはならないようだとSCMPは解説している。

 長江には絶滅危惧種のカラチョウザメなども生息しており、政府は魚の住処を保全し、繁殖計画なども進めたいとしている。違法操業に対しても、高速船、ドローン、ビデオ監視システムなどを取り入れ、漁民をパトロール部隊として雇い入れる方針だという(SCMP)。

◆日本は資源保護に関心薄? 残念な調査結果
 今回の徹底した措置は、中国共産党だからできたとも思えるが、世界経済フォーラムのために市場調査会社イプソスが世界28ヶ国を対象に行った「持続可能な漁業」に関する調査では、実際のところ中国人の意識は高いことがわかる。

 中国の回答者は23%が週に数回、36%が週1回は魚を買うとしており、よく魚を食べることがわかった。魚を選ぶときに重視する項目では、「持続可能な方法で獲られた、または資源を減らさない養殖の魚を選ぶ」が85%(全体平均80%)、「減少の危険がある魚を選ばない」が87%(同81%)、「地元でとれた魚を選ぶ」が75%(同72%)と、いずれも全体の平均を上回った。

 乱獲を減らすには、「絶滅危惧種の捕獲をすべてやめる」が82%(全体平均77%)、「絶滅危惧種の販売やレストランでの提供をやめる」が82%(同77%)、「政府が乱獲、過剰生産、違法操業につながる漁業への補助金を禁止する」が79%(同73%)、「店やレストランが消費者に売る魚の絶滅危険度を知らせる」が71%(同71%)だった。

 一方日本の回答者は、26%が週に数回、30%が週1回は魚を買うと答えたが、「持続可能な方法で獲られた、または資源を減らさない養殖の魚を選ぶ」が40%、「減少の危険がある魚を選ばない」が38%、「地元でとれた魚を選ぶ」が52%と、調査対象国中いずれも最低となった。

 さらに「絶滅危惧種の捕獲をすべてやめる」が47%、「絶滅危惧種の販売やレストランでの提供をやめる」が48%、「政府が乱獲、過剰生産、違法操業につながる漁業への補助金を禁止する」が48%、「店やレストランが消費者に売る魚の絶滅危険度を知らせる」が39%と、こちらもすべてにおいて調査対象国中最低となった。

 水産庁によれば、日本の漁獲量は1984年をピークに減少が続いている。魚を多く食べる国民として、持続可能な漁業にもう少し関心を持つべきではないか。

Text by 山川 真智子

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