日本企業は第四次産業革命への準備が遅れている デロイト調査
デロイト トーマツ グループが発表した「第四次産業革命への対応準備調査」によると、日本企業の第四次産業革命への準備の遅れが明らかになったという。
世界経済フォーラムの年次総会である「ダボス会議」でも2016年以降毎年主要なテーマになっている第四次産業革命は、その実像を着実に現わし始めた。IoT、AI、コグニティブ、アナリティクスなどの、よりスマートなデジタルテクノロジーが、新製品やサービス、仕事の効率化、新しいタイプの仕事、まったく新しいビジネスモデルといった豊富な機会を創出している。
その一方で、本調査を通じて、世界的に見ても第四次産業革命による機会をフルに活用しうる企業は、現時点においてごく一握りであることが示された。調査結果には、従来からのビジネスの延長線上で第四次産業革命を捉える姿勢が表れており、特に日本企業はその傾向が顕著に見られたという。第四次産業革命の機会を十分に活用することに「大変自信がある」と答えた割合は、日本企業はたった3%であった(全世界:14%)。
◆第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない
日本及び世界の経営幹部の大多数は「第四次産業革命が社会により多くの平等と安定をもたらす」と考え(日本:91%、全世界:87%)、また、企業は、社会に最も大きな影響を与えうると考えている(日本:公開企業70%、非公開企業64%、全世界:公開企業74%、非公開企業67%)。
自社が多大な影響を与えうる課題領域は、「顧客への最良の製品/サービスの提供」、「短期的または、長期的な財務成績の向上」といった企業の従来からの役割に回答が多く集まっており、市場、教育、環境などの社会的課題に大きな影響を及ぼすと考える経営者は少数にどどまっている。特に日本の経営幹部はこの傾向が強く、「公正で開かれた市場の実現に向けた改革の推進」(日本:9%、全世界:24%)、「商品・サービスへのアクセス向上や低価格化などを通じた未充足ニーズへの対応」(日本:14%、全世界:19%)といった、市場環境の改善への影響についても他国企業よりも低い認識となった。
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