メディアが教えてくれない 5つの世界重要ニュース

 日本のメディアは、衆院解散総選挙のニュースでもちきりだ。あまり詳しく報じられない、世界の重要ニュースを5つ、紹介する。

1.オバマ大統領、日本を飛ばして東南アジア外遊―訪問の意義は?―
 オバマ米大統領は、再選後初の外遊先に東南アジアを選んだ。まず18 日は、長年に渡る同盟国であるタイを訪問し、インラック首相と会談した。19 日には、現職の米大統領としては初めてミャンマーを訪問。その後、カンボジアにて東アジアサミットに参加した。
 オバマ大統領は訪日せず、東アジアサミット期間中に野田首相と会談。日本を飛ばして東南アジアを最初に訪問したオバマ大統領のねらいとは。

2.EU、女性役員義務付け法案発表―各紙は各国の反応に注目―
 EUの欧州委員会は14日、上場企業の役員への女性割り当てを義務付ける法案を発表した。具体的には、非常勤役員に占める女性の割合を2020年までに 40%以上に引き上げることを義務付ける。ただ、罰則の内容は各国に委ねられる。今後、一般から幅広く意見を求め、欧州理事会や欧州議会で法案を議論する ことになる。
 自由と義務のバランスをどうとるのか?賛否両論が取り上げられた。

3.EU諸国、グーグル・アマゾンらに怒り心頭―租税逃れを許さない姿勢―
 EU各国では、巨大多国籍企業の「税金逃れ」が問題とされている。イギリスでは公聴会が開かれ、スターバックス、アマゾン、グーグルの幹部が批判を浴びた。スターバックス英国法人は進出以来、総額約3840 億円の売り上げがありながら、大半の年は損失を計上し、支払った法人税は約 11 億円にとどまる。フランスでは、国税局がアマゾンに約2億ユーロ(約200億円)の申告漏れ・追徴税を支払うよう要求している。
 緊縮財政に苦しむ政府の怒りに大企業はどう応えるのか。

4.アフリカ・コンゴ民主共和国の内戦激化
 11月に入り、コンゴ民主共和国の紛争が激化している。19日には反政府武装勢力「M23」との直接交渉を政府が拒否したことから、鉱業で栄える東部の主要都市ゴマが侵攻された。政府軍や住民は続々と避難しており、治安悪化が懸念されている。国連安全保障理事会は戦闘停止を求めているが、事態が鎮静する様子はなく、非常に緊迫した状況になっている。
 電子産業が活発な日本にとって、鉱業資源が豊富な同国の情勢は無関係とは言えない。海外各紙は膨れ上がる争いの様子を取り上げた。

5.インド、テロリストの死刑執行―海外紙は印パ関係に注目―
 インドは21 日、2008 年 11 月のテロの実行犯であったアジマル・カサブ死刑囚(25)の死刑を執行した。このテロは3 日間に及び、死亡者 166 人、負傷者約 300 人の大惨事となったものだ。テロリストグループは、パキスタンに拠点を置くイスラム過激派のラシュカエ・タイバを母体としており、カサブ死刑囚は、10 人からなる実行犯グループの唯一の生き残りであった。インドにおける死刑執行はまれであり、2004 年以来のこととなった。
 このタイミングで死刑執行に踏み切ったインドの思惑は?そして、印パ関係の行方は?

Text by NewSphere 編集部