米中首脳会談、「安定化」目指す米中それぞれの思惑とは
アジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加するため、中国の習近平国家主席が6年ぶりにアメリカを訪れた。そして15日、サンフランシスコでバイデン大統領と1年ぶりとなる米中首脳会談を行った。今回の会談はどのような特徴があり、米中双方にどのような狙いがあったのだろうか。
◆最悪のケースの回避と協力範囲の拡大
今回の会談の最大のポイントは、最悪のケースの回避と協力範囲の拡大だ。台湾や半導体などで激しい対立が続くなか、米中は今回の会談で軍事衝突など不測の事態を回避するため、軍当事者間の対話を再開させることを決定した。昨年8月、ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問した際、中国は台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を実施し、アメリカとの軍当事者間の対話を一方的に停止した。今回、この再開が決定したことだけでも大きな意義がある。
また、人工知能(AI)分野での規制、温暖化対策など協力可能な分野では協力を促進していくことでも一致した。米中が競争し合う分野は拡大しているが、バイデン政権はそのなかでも協力可能な分野での協調を重視してきた。これが対立を緩和する要因となるわけではないが、米中双方がお互いを対立だけすればいい相手と認識していないことをうかがわせる。
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