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アジア大学ランキング:東大1位も中国に校数初めて抜かれる 国による助成の差か

  • カテゴリー:社会
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アジア大学ランキング:東大1位も中国に校数初めて抜かれる 国による助成の差か

 イギリスの高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は、中東を含むアジアの大学・上位100校のランキングを発表した。1位になったのは、前年までに引き続き、東京大学だった。しかし、上位100校に入った大学の数で、日本は初めて中国に抜かれ、2位に転落した。さらに、ランク入りした日本の大学の大半が、前年より順位を落としている。「日本にとって今は、これまでの名声に甘んじている時ではありません」と、このランキングの主幹は語っている。

◆日本と中国の対照的な状況
 NHK、日本経済新聞、共同通信といった国内報道機関は、日本の大学の結果を中心に報じた。一方、THEウェブサイトのランキング発表の告知文は、日本の低下ぶりと中国の上昇ぶりを、セットとして対照的に伝えた。

 THEは2004年より、世界の大学ランキングを毎年発表しているが、2013年からはアジアの大学ランキングも発表している。東京大学は、2013年以来3年連続で首位を守った。しかし、上位100校に占める日本の大学の数は、2013年が22校、2014年が20校、そして今年が19校と、徐々に減少している。

 これに対して、中国は、2013年が15校、2014年が18校、そして今年が21校とうなぎ上りだ。なお、ここでいう中国は、香港、マカオの特別行政区を含まない、いわゆる「大陸中国」である。

 さらに、THEによると、今年ランク入りしている日本の大学19校のうち、15校が前年より順位を下げた。平均で5.8位下がったとのことだ。対して中国のほうは、多くの大学が順位を上げているという。中国国営新華社通信によると、このランキングの主幹フィル・バティ氏は、新華社に対し「今年はまさに中国の年です」と語ったそうだ。

◆日本と中国の差はどうして生まれたのか
 日本と中国のこの差は、どのようにしてついてしまったのだろうか。国による助成の差、というのが、まずは原因として考えられているようだ。上述の日本の報道機関は一様に、「中国に対抗するため研究投資を増やさなければならない。迅速に対処すべきだ」というTHEの指摘を伝えている。

 THEは、力の均衡は今や中国に傾いている、と語る。日本が莫大な公的負債を受けて研究投資の削減に取り組んでいる一方、中国は研究投資を行っていることが背景にある、としている。

 また新華社によると、この中国の向上ぶりは、政府が研究開発への投資を進んで行い、高等教育に対し本腰を入れて関与すれば、間違いなく良い結果を生むということの良い見本だ、とバティ氏は語ったという。

 コロンビア大学、エコール・ポリテクニーク、パリ政治学院、パリ第1大学間の共同教育研究事業のディレクター、アレシア・ルフェーブル氏は、「中国には守るべき名声や伝統がなかったおかげで、状況に速やかに順応できたが、日本はそうではない」と語っている。「中国は、世界レベルで張り合うことを求めており、非常に野心的なため、多額の財政的援助と、積極的な政策を行ってきた」と語っている。

◆日本の大学について、どのような問題点があると考えられているか
 THEの告知文と論評文では、これ以外にもさまざまな点について、日本の大学の問題点や、日本と中国の違いを論じている。

 たとえば、投資ということに関していえば、ロンドン大学インスティチュート・オブ・エデュケーションのサイモン・マーギンソン教授(国際高等教育学)は、「日本は、東京大学、京都大学といった最上位大学については、最先端の強みを維持することに気を配っている。しかし、それに次ぐレベルの大学に対しては、中国がそういった大学により多く投資しようと専心しているのに比べ、日本はそうではない」、と語っている。ランキング上では、日本の大学の中で東大の一強状態となってしまっているが、それはこのようなところにも原因があるのかもしれない。

 香港大学中国教育研究センターのジェラルド・ポスティグリオーネ所長は、日本の大学の実情について、踏み込んだ発言をしている。日本の順位低下の原因は、その大学の出身者しか教授になれないという「純血主義」の強さや、最上位の大学に研究費が集中していること、若手の大学教員に昇進の機会が少ないことの組み合わせにあると語っている。

◆世界ランキングでは、アジアと米英の差が大きい
 アジアで1位の東大も、世界ランキングでいえば23位でしかない(2014-2015ランキング)。世界ランキングのトップ10は、アメリカとイギリスの大学で埋め尽くされている。アジアの大学と、米英の大学のこの差は、どこから生じているのだろうか。

 THEによる大学のランキングは、講義の質の評価や教育環境、行われている研究への評価、論文の引用件数など13の指標に基づいている。留学生や外国人教員の割合など、国際化が進んでいるかも、その指標に含まれている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のブログ「日本リアルタイム」は、東大は教育と研究で高得点を獲得したが、国際化では低めだった、と伝えている。

 ルフェーブル氏も、日本の大学は海外からの教員や留学生を引きつけることができていない、と指摘する。このため、近いうちに切迫した状況になるかもしれない、とさえ語っている。外国人教員が少ないことは深刻な問題で、その理由の一端は、他の国と張り合える給与額を提示することができないことにある、というのが氏の分析だ。

 さらに、この問題は日本に限られた話ではない、と氏は指摘する。アジア全体で、欧米の求人市場と張り合うことができていない、と述べている。給与水準の問題だけでなく、汚染レベルの高さや政情不安によっても避けられていると、中国や香港を念頭に語っている。

 AFPは、外国人学生の留学先として、中国が日本にとって代わっている実態も浮き彫りとなった、と報じている。

 THEのアドバイスどおりに、国による助成が今後増えるとすれば、その何割かは大学の国際化に充てられそうだ。

(Newsphere編集部)

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