フランス、イタリア、スペインと南ヨーロッパの3国が常に生産量のトップを争うワイン。アメリカ、オーストラリア、チリなどの国が続く。そしてご存じの通りボルドーは、ブルゴーニュと並ぶフランスワインの2大生産地のひとつだ。そしてこの近辺は鴨肉、フォアグラの生産地でもある。

今回はフランス南西部のヌーヴェル=アキテーヌ地域圏の首府ボルドーを歩いて、この地方の郷土料理のひとつ「タリアテッレ シュド ウエスト」、南西地方のパスタ料理を紹介する。

フランス南西部の中心都市は大西洋にも地中海にも繋がる

パリからフランスの南西部に向かう高速列車TGVに乗り込み、2時間ほどで終着駅のボルドーに到着した。「月の港」と称されるボルドー。遠くピレネー山脈を水源とする三日月形に蛇行したガロンヌ川に沿って町が発展したから「月」、そして地中海まで80㎞程の内陸に位置しながらも、大型船もが遡ってやってくる港でもある。ガロンヌ川を逆に東へと遡れば、トゥールーズ付近で17世紀に造営されたミディ運河につながり、地中海へと抜ける。この船舶による物流ルートは19世紀に鉄道網が敷かれるまで南仏の経済を支えてきた。

ボルドーの街を南北に流れるガロンヌ川は地元の人たちの憩いの場であり、旧市街はその西岸に広がる。河畔に出てみると、ここまで遡ってきた大型客船が方向転換をしているところだった。この場所から少し上流にあるのがピエール橋。19世紀にナポレオンの命により建設された石造りの橋は17のアーチで支えられている。17というのは「Napoléon Bonaparte」の文字数なのだとか。これより先に大型船は航行できないのだ。

シテ・デュ・ヴァンは2016年にオープンしたワインの博物館。その外観はワインのキャラフェを模したものだとか。ボルドーのワインに関する展示のみならず、ワイン生産の基本から、フランス各地、世界各地のワイン生産地のワインの特徴なども紹介されている。展示方法はグラフィカルで分かりやすく、だれでも楽しめるアトラクションになっている。

旧市街の目抜き通りにあるのがボルドー国立歌劇場。その北側にあるヨーロッパでも有数の大きさのカンコンス広場には、フランス革命の犠牲となったジロンド派の革命家をたたえるジロンド派記念碑が建つ。商工会議所や博物館が入る18世紀の建物に囲まれ、他方はガロンヌ川に面したブレス広場の中心には、三美神の噴水がしつらえられている。また薄く水を張った水鏡あり、人気のフォトスポットになっている。歴史を探訪しながらの街歩きが楽しい。

城壁に囲まれていた旧市街を歩く

ボルドー・セント・アンドレ教会は11世紀に建てられたカトリックの大聖堂で、二つの尖塔がそびえる姿は圧巻だ。そこからすぐそば、グロス・クロシュは18世紀に建てられた時計塔で、備え付けられた鐘は7.75トンあるという。この建物自体は少年用の地下牢だったのだそうだ。1495年に建てられた、まるで城のような外観のカイヨ門はボルドー旧市街のメインゲート。ボルドーはかつて城壁で囲まれていたが18世紀の都市改造で取り壊されてしまったそう。旧市街の西の入り口はディジョー門。18世紀中ごろに建設された新古典主義のスタイルだ。すぐそばにはヨーロッパでもっとも長いショッピングストリートであるサン・カトリーヌ通りがあって、レストランやバーなどが並び多くの人で賑わう。

フランス南西部料理は鴨とフォアグラ

昼時になって、土地の人にこの辺りで特徴的なランチはないかと聞くと、それは鴨だとのこと。教えてもらった手軽な店に入った。オーダーしたのは鴨のグリルにフレンチフライトサラダのプレート。グレービーが鴨肉によく合う。ボルドー近辺では、鴨とフォアグラの一大生産地なのだそうだ。

夜になって、簡単な食事をとろうとビストロに入ってメニューを見ると「タリアテッレ・ドゥ・シュドウェスト」が目に入った。フランス南西部のパスタ・タリアテッレ。フランスでもパスタはよく食べられているが、このボルドーのパスタ料理は、地域の特産である鴨肉、フォアグラなどの肉を使ってクリームで仕上げる。今回は、鴨の燻製肉と砂肝、生ハムを具材に、平打ちのタリアテッレに生クリームで合わせるレシピを紹介する。

フランス南西部のパスタ・タリアテッレのレシピ

材料:二人分

・タリアテッレ 200g
・生ハム 4枚 幅1㎝に切る
・鴨の燻製 200g 厚さ2㎜の薄切り
・砂肝 4個 真ん中から2つに切りかたい部分を取り除き、厚さ2㎜のそぎ切り
・生クリーム 大さじ4
・ハーブド・プロバンス 小さじ1/2
・塩 少々
・黒胡椒 適量
・イタリアンパセリ 適量

1. タリアテッレを商品に記載の通りの時間で茹で始める。

2. フライパンを中火にかけて温まったら、鴨の燻製を乗せて焼き脂が出て多少焼き色がついたら砂肝を加えて火を通したら取り出す。

3. 2のフライパンに生クリームを入れて弱火で温め火を止め、ハーブド・プロバンス、塩少々を入れる。

4. 3にタリアテッレを入れて合わせたら、生ハム、鴨、フォアグラを加えてざっくり混ぜて皿に盛り、黒胡椒を振り、イタリアンパセリを飾る。

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All Photos by Atsushi Ishiguro
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石黒アツシ

20代でレコード会社で音楽制作を担当した後、渡英して写真・ビジネス・知的財産権を学ぶ。帰国後は著作権管理、音楽制作、ゲーム機のローンチ、動画配信サービス・音楽配信サービスなどエンターテイメント事業のスタートアップ等に携わる。現在は、「フード」をエンターテイメントととらえて、旅・写真・ごはんを切り口に活動する旅するフードフォトグラファー。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現したものを、みんなと一緒に食べることがライフワーク。
HP:http://ganimaly.com/