「京都の三大漬物」でインフルエンザ予防? 英紙が注目

「日本のカブの漬物にインフルエンザ予防の効果があるらしい」—-今冬、過去数年間でも最悪のインフルエンザ禍に見舞われているイギリスの新聞、雑誌系のブログにこんな記事が登場した。

 とりあげられたのは、「日本古来」の漬物「すぐき」。カブの変種である酸茎菜の実と葉に塩だけを加えて乳酸発酵させる、京都の上賀茂・西賀茂地区の伝統的な漬物だ。「柴漬」、「千枚漬け」と合わせて京都の三大漬物の座を誇り、飴色の仕上がりと爽やかな酸味が特徴とする「すぐき」は、次世代のスーパーフードたりえるのか。

【日本の研究チームが明らかにした「すぐき」の底力】
 日本の研究者らによれば、すぐきに含まれるラクトバチルス・ブレビス(通称「ラブレ菌」)に、インフルエンザに対する免疫を上げる効果が発見されたという。微生物生態学専門のレター専門誌(短報のみを掲載する雑誌)、『レターズ・イン・アプライド・マイクロバイオロジー』に発表された。実験で、インフルエンザ・ウィルスにさらされたマウスの免疫システムで抗体が活性化され、伝染力の強いH1N1亜型をも退けたとしている。
 
 効果を確信する研究者らはすでに、人体での試みを始めているという。同種のラブレ菌を含んだ飲料を経口投与する手法で、肯定的な結果が出ているそうだ。中心的な論文執筆者のワキ氏は「14日間連続でこのドリンクを摂取した人は、インフルエンザ・ウィルスに感染しても、体重の減少その他、目に見える身体的な症状が軽く済んでいる」と報告している。

【過信は厳禁? やはり、決め手は予防接種か】
 食べれば、飲めば、インフルエンザが予防できる、次代の「スーパーフード」の発見は朗報だが、インディペンデント紙は、「インフルエンザ予防に最も効果的なのは、あくまで、予防接種」との、国民保健サービス(NHS)の談を紹介している。NHSによれば、ビタミンCや亜鉛、エキナセアなどのサプリメントにも、風邪を予防する明らかな効果は証明されていない、という。サプリ頼みはほどほどに、ということか。

Text by NewSphere 編集部