ジョブズ、“Mac OS搭載VAIO”を提案していた ソニー元社長談を海外メディアが報道

 6日、ソニーは投資ファンド、日本産業パートナーズ(JIP)に、同社のPC事業を売却すると発表した。同時にTV事業部は完全子会社化、安価な製品を切り捨てハイエンドモデルに集中するという計画を公表した。これらの改革によって、5000人(内3500人は海外)の人員削減を見込む。

【苦闘を続けるソニーと日本の電機業界】
 ソニーの問題は、幅広い日本の電機産業の危機を反映している、とニューヨーク・タイムズ紙は分析する。日本の電機メーカー各社が再構成に動き、例えばパナソニックがカーバッテリーのような産業向け電機分野に集中して成果をあげる中で、ソニーは消費者向け電機製品にこだわる。一部の投資家やアナリスに撤退をせかされながらも、ソニーの平井一夫社長は相対的に有望な家庭用ゲーム機やスマートフォンといった事業の再編成を図った。これらの事業は直近の会計期間では増益の見込みを示している。

 経済アナリスト、ソン氏の分析によれば、ソニーは一部の事業には常にライバル社よりも傾注してきており、そこにこだわる平井CEOの戦略は道理に適っているという。また、別のアナリストは、PC事業マーケットについて「競争者が多すぎるから、誰かは市場を去らなければならない」と述べている。

【ソニーとアップルとの「成立しなかった」パートナーシップ】
 ソニーのPC事業売却の発表に先立ち、複数の海外の情報技術サイトが、ソニーと故スティーブ・ジョブズ氏との逸話を伝えている。20年以上アップルを追い続けているジャーナリストの林氏が、ソニー前社長の安藤氏に取材したものだ。

 記事によると、2001年、安藤氏がハワイで他のソニー幹部とゴルフをしていたところ、「スティーブ・ジョブズ氏と他のアップル社幹部がゴルフコースの終点で待ち受けていた」という。彼らの手にはMacOSが入ったVAIOがあった。安藤氏によると、ジョブズ氏はソニーのVAIOシリーズを賞賛しており、Macシリーズの生態系に「例外をつくるという意思があった」ということだ。

 しかし、アップル-ソニーのパートナーシップは築かれなかった。ソニーにとっては、申し入れのタイミングが悪かったのだ。それには2つの理由がある。一つはVAIOのノート型パソコンの売上げが軌道に乗り始めたところだったということ、もう一つは当時の技術チームがVAIOをウィンドウズに合わせて調整するのにやっと成功したところであり、Mac互換型のVAIOというアイディアには難色を示したということだ。

 Mac互換型VAIOが実現していれば、今日のソニーの収益がどうなっていたかはわからない。

※NYTの記事が修正されていただめ、末尾の文(しかし、ソニーは今年、PC事業で3億ドルの損失を出すところだったと、前出のソン氏は見積もっている。)を削除いたします。(2/7)

ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望

Text by NewSphere 編集部