Wii Uが目標の5%… 苦戦の任天堂、海外からはスマホ展開切望の声も

 任天堂が30日発表した4~9月期の連結決算は、営業損失が232億円の赤字だった。昨年11月に発売された据え置き機「Wii U」の世界販売台数は46万台で、通期の販売目標(900万台)の5%にとどまる。ソフトは630万本と、販売目標(3800万本)の16.6%で、苦戦を強いられている。

 ただ、円安の影響もあり、最終損益は6億円の黒字(前年同期は279億円の赤字)。4年ぶりの黒字に改善した。

 同日、任天堂の岩田社長は記者会見で、ヒット作はすべてを変える力がある、と述べ、営業利益1000億円の目標についても実現可能だと語った。また販売目標の900万台も据え置いた。

 ソニーのPS4やマイクロソフトのXboxOneというライバル機種の発売や、スマートフォン向けゲームが台頭しているなか、営業利益1000億円の公約達成に向けた任天堂の動向が注目されている。

【任天堂、スマホ向けゲーム解禁なるか 海外投資家から期待の声】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、任天堂の人気ゲームシリーズ(スーパーマリオ、ゼルダの伝説、ポケモンなど)を、スマートフォンやタブレットなど幅広いプラットフォームで展開すれば、株価が2~3倍にも跳ね上がるだろう、という投資家やアナリストの見解を報じている。

 ただ、任天堂の岩田社長は、スマートフォンやタブレット向け展開について、今のところはないと答えているという。

 なおゲームメーカー大手のスクウェア・エニックスは今月、スマートフォン向けに人気タイトル「ドラゴンクエスト」シリーズを配信すると発表した。同社はすでに「ファイナルファンタジー」シリーズも配信しており、スマートフォン展開が加速している。

【3DSは好調ながらも、Wii U販売不振―海外ユーザーの反応は?】
「Wii U」を横目に、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」は国内外で好調であり、販売台数は389万台、ソフトが2738万本だった。米調査会社NPDグループによると、米国では9月までの販売台数が5ヵ月連続の首位だったという。

 国内外市場ともにソフトの販売も好調であり、米国では、「ルイージマンション」が86万3000本、「とびだせ どうぶつの森」が73万9000本と大きく売上に貢献している。2DSの「ポケモンX・Y」の売れ行きも250万本を超えているという。

 また、ゲームサイト「IGN」では、「Wii U」に対し海外ユーザーから下記のような意見も挙がっている。

「サードパーティに転向すれば、売上に関係なくもっと金儲けできると思う」
「“Wii U”はソニーやマイクロソフトと比べると明らかにパワー不足」
「世代を超えて大勢で遊べるところがいいと思うんだけど…」

Text by NewSphere 編集部