ドイツ、情報機関を強化へ 高まる「外国勢力」の脅威に対応
首相府長官への就任が決まったニーナ・ヴァルケン保健相(7月24日)|Markus Schreiber / AP Photo
ロシアや過激派などによる脅威の高まりを受け、ドイツ政府は、破壊工作やハッキングの試みを阻止するなどの措置を講じられるよう、自国の情報機関により広範な権限を与える方針だ。
内閣は12日、対外情報機関のドイツ連邦情報局(BND)と、国内情報機関の連邦憲法擁護庁(BfV)を強化するための法案を承認した。欧州連合(EU)で最も人口の多いドイツが、同盟国からの情報提供に依存している現状を改善する狙いがある。
ドイツの情報機関の権限は長年、ヨーロッパの主要国の同種機関に比べて限定的だった。現代のドイツは伝統的にデータ保護をめぐる問題に敏感で、その背景にはナチス政権下の弾圧や、その後の共産主義国家・東ドイツの秘密警察による弾圧の記憶がある。
フリードリヒ・メルツ首相の首席補佐官ニーナ・ヴァルケン氏は「現在、ドイツは外国勢力によるハイブリッド攻撃の標的に絶えずさらされており、これは現実の、極めて差し迫った危険だ」と述べた。「我々は他国の情報機関による支援にあまりにも依存している。現在、あまりにも多くの分野で、この支援は一方通行になっている」
アレクサンダー・ドブリント内相は「我々は自国の情報機関を、本当の意味での情報機関へと発展させている」と語った。
ドブリント氏は、現在ドイツが直面している脅威に対処するには「EU域内の提携機関だけでなく、域外の友好国の機関とも肩を並べられる」情報機関が必要だと付け加えた。
ドブリント氏は「我々は日々、外国勢力によるスパイ活動、破壊工作、サイバー攻撃、秘密工作の標的となっている。目的は我が国を不安定化させ、損害を与え、国内に政治的、社会的変化を引き起こすことだ」と述べた。
議会の承認が今後必要となる改革案では、情報機関がノートパソコンや携帯電話などの端末にアクセスし、データを保存する権限が拡大される。
情報機関の監督も担当するヴァルケン氏によると、情報機関は「積極的な措置」を講じることも可能になる。
例えばBNDは、輸送中の物資に含まれる部品を欠陥品にすり替えたり、ドローン工場や化学兵器研究所のITシステムに侵入して破壊工作を行ったり、外国政府とつながりのあるハッカーや偽情報工作員のサーバーを無力化したり停止させたりできるようになるという。
ドブリント氏はこのほか、爆発物を無害な物質にすり替える可能性にも言及した。
この改革は数か月前から計画されていた。ドイツが直面するリスクは先週、国際貨物輸送の主要拠点で、ウクライナ支援の拠点でもあるライプツィヒ・ハレ空港で、爆発物を搭載したドローンが見つかったことで改めて浮き彫りになった。
この事件は現在も捜査中で、当局は誰が関与した可能性があるかについて明らかにしていない。
ドブリント氏とヴァルケン氏は、懸念している具体的な外国勢力の名前を挙げなかったが、近年は特にロシアの活動がヨーロッパ各地の当局にとって絶えざる懸念材料となっている。
By GEIR MOULSON Associated Press




