孤立の道を突き進むイスラエル
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが昨年10月7日にイスラエルに攻撃を仕掛けてから、両者の間で戦闘が激化している。両者の軍事力の差は歴然としており、自衛の範囲を完全に超えたイスラエルによる容赦のない攻撃に対し、国際社会の間で批判の声が広がっている。そのようななか、ネタニヤフ政権は今後もハマス壊滅の軍事作戦を継続する方針で、イスラエルは孤立の道を突き進んでいるように映る。
◆最大の擁護者アメリカからも強まる不満
現在のネタニヤフ政権のやり方に対してはアメリカのバイデン政権も不満を募らせている。バイデン政権はおそらく、一定の期間が過ぎればネタニヤフ政権が攻撃を停止すると予想していたが、その気配がまったく見られないことに不満や焦りを感じていると思われる。また、アラブ諸国だけでなく欧州や中国、ロシアなどもイスラエルを批判するなか、イスラエル支持に撤すればかえってアメリカへの不信感が広がることへの懸念もあることだろう。
◆イスラム諸国で広がるボイコット
パレスチナと同じくイスラム教を国教とする国々では、イスラエル産の商品をボイコットする動きが拡大している。ネットやSNS上では「イスラエル製品を買うな」「イスラエルからの輸入をストップしろ」などの声が拡大し、エジプトなどでは市内にあるショッピングモールの店頭からイスラエル製品が消えるなど、日常生活にも影響が出ている。また、それに並行してアメリカなど欧米諸国への不満も強まり、インドネシアやマレーシアではマクドナルドやスターバックスなどへの客足が減っているという。
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