「不当勾留されるリスクあり」アメリカが中国への渡航を再検討するよう警告
◆不当勾留され政治利用される可能性
アメリカ政府が中国政府の動向に神経質になるのは理由がある。それは中国と友好関係にあるロシアで近年多くのアメリカ人が勾留され、ロシア政府に都合のいい裁判にかけられて有罪となり「政治的人質」として利用されたことで、そのたびに「プリズナー・スワップ」と呼ばれる収監者の交換をする羽目に陥っているからである。
特にロシアを出国しようとした際に同国では違法の所持品を持っていたために逮捕され、有罪判決を受けたプロバスケットボール選手のブリトニー・グライナー選手が良い例だ。バイデン政権は彼女を帰国させるためあらゆる手を尽くし、最終的にはロシアの武器商人ビクトル・ボウト受刑者との交換という形でようやく帰国が叶ったのである。
またウォールストリート・ジャーナル記者でロシア在住のエバン・ゲルシコビッチ氏もスパイ容疑で逮捕され勾留されており、ニューヨーク・デイリーニュースによると、ロシアは今回も収監者交換を行うことにより同氏の釈放が可能であると示唆。ロシアのペスコフ大統領報道官は、ゲルシコビッチ氏とサイバー犯罪によりアメリカの刑務所に収監されているウラジーミル・ドナエフ受刑者との交換に前向きであると述べた。
アメリカ政府は中国において、これと同じことがロシアよりさらに大きな規模で起こり、多くの人々が特に大きな理由もなく不当に逮捕・勾留され、政治的人質として利用される可能性を危惧しているのだろう。
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