形勢変わる米中対立 中国が各地で攻勢、アメリカに焦りの色

中国の習近平国家主席とバイデン米大統領(2022年11月14日)|Alex Brandon / AP Photo

◆「裏庭」で焦るアメリカ
 そして、その焦りはアメリカの裏庭でも見えてくる。今年3月に台湾と断交し、中国と国交を樹立したホンジュラスの大使館が11日、北京に開設され、その式典に中国の秦剛外相とホンジュラスのレイナ外相が参加した。中国は近年、中南米諸国との関係を強化している。特にベネズエラなど中南米には反米国家も少なくなく、中国はそういった国々との関係を強化し、アメリカの裏庭からもアメリカを強くけん制している。

 こういった現実に対し、アメリカは焦りを感じ始めている。そして、それによって台湾有事など日本の安全保障に直結する問題でも同じような姿勢が顕著になれば、中国はよりいっそう行動をエスカレートさせてくるだろう。

Text by 本田英寿