アメリカの半導体輸出規制、中国への影響は 日本は7月に規制強化

Ng Han Guan / AP Photo

 日本の経済産業省は5月23日、先進的な半導体製造装置など23品目を新たに輸出管理対象とし、7月から輸出に規制をかける方針を発表した。中国への技術流出に警戒するアメリカとその同盟国に同調した動きとなる。アメリカが進める国際的な規制は効果的だとみられる反面、アメリカ国内にマイナスの影響を及ぼすとの見方もあるようだ。

◆日本も加わった輸出規制の枠組み
 アメリカ政府は昨年10月、先進的な半導体チップに関する輸出規制を導入した。以降アメリカは、日本とオランダに対し、中国を念頭に置いた類似の輸出規制を敷くよう働きかけてきた。

 アメリカはなぜ、半導体技術の移転に神経を尖らせているのだろうか。英ガーディアン紙(5月22日)はその一因として、台湾有事の懸念を挙げる。製造拠点の立地する台湾への依存が続いていれば、混乱で半導体の供給不足が生じた際、アメリカへの打撃は大きい。また、中国が占領後、半導体産業を中心に迅速に経済を回復させる構想も成立してしまう。このためアメリカ側には、中国の半導体産業の成長を抑制したい思惑があるという。

Text by 青葉やまと