ウクライナ戦争はいつ終わるのか、海外専門家の見解は 開戦1年

ウクライナ北東部クピエンスクの破壊された建物(2月20日)|Vadim Ghirda / AP Photo

 2月24日でロシアによるウクライナ侵攻から1年になる。首都キーウの電撃攻略を狙ったとされるロシアの目論見は外れ、今後消耗戦に突入するとの観測すら出始めている。出口の見えない戦争は、どのような形で収束し得るのだろうか。海外の専門家たちが、あり得るシナリオを解説している。

◆終わらないウクライナ戦争の現状
 ウクライナでは悲惨な状況が続く。戦争著述家のジェームス・キットフィールド氏は米政治専門紙のヒル(2月20日)に寄稿し、ウクライナ侵攻は「第二次世界大戦以来、ヨーロッパで最悪の国家対国家の侵略」であると指摘している。すでに30万人以上が死傷し、世界の食料とエネルギーの安定を妨げ、国内外のウクライナ避難民は1000万人以上に膨らんでいるとキットフィールド氏は述べる。

 一刻も早い終結が望まれるが、先行きは不透明だ。米公共ラジオ(NPR、2月19日)は「いずれの陣営も完全な軍事的勝利からは遠く、交渉のテーブルにおける進展も見られそうにない」と指摘している。米シンクタンクのランド研究所のサミュエル・チャラップ上席政治学者はNPRに対し、「ロシアとウクライナの間の敵意により、この紛争は長期間にわたり継続する恐れがある」との見解を示している。

Text by 青葉やまと