イラン革命防衛隊司令官、フランスに襲撃警告「ラシュディに起きたことを…」
◆イランによる報復と脅迫
イランはまた5日、テヘランにあるフランスの考古学研究所の閉鎖を発表。同研究所は、フランス外務省と提携する機関だ。
8日には、テヘランにあるフランス大使館の前に数十人のデモ隊が集まり、フランス国旗を燃やすなどして、シャルリー・エブド紙が載せた風刺画に対する抗議を行った。デモ隊の多くはシーア派神学校の学生と、チャドルを身に着けた女性だった。(ル・モンド紙、1/8)
イランとフランスの政府レベルにおけるこの摩擦に、米国務省のプライス報道官は、「我々は表現の自由を支持する。表現の自由は一つの価値であり、フランスであろうとイランであろうと世界中で我々が守り、擁護し、促進する普遍の権利だ」(TF1、1/5)と発言している。
しかしながら、イランの怒りはいっこうに収まる気配がない。10日にはイラン革命防衛隊のサラミ司令官が、「フランス人とシャルリー・エブド紙の社員は、サルマン・ラシュディに起きたことを見るがよい」と脅迫まがいの発言をしている(国営イラン通信、1/10)。サルマン・ラシュディは1988年に著した『悪魔の詩』がイラン最高指導者の怒りを買ったことで何度も暗殺の危機にさらされ、2022年にアメリカで襲撃されて重傷を負った作家である。