侵攻批判のロシアの「ソーセージ王」が不審死 相次ぐ有力者の「自殺」「事故」
◆エネルギー産業の有力者らも不審死
ロシア実業家らの不自然な死亡例は、今年に入ってから多数生じている。CNNは今年、少なくとも12人の著名実業家らが自殺や原因不明の事故で命を落としたと報じている。半数にあたる6名は、ロシアの2大エネルギー産業に関連している。たとえば通常動力潜水艦を建造している大手造船所のアレクサンドル・ブザコフ死は12月に急死を遂げたが、当局は死因を発表していない。モスクワ航空研究所のアナトリー・ゲラシチェンコ元学長は9月、原因不明の事故で死亡した。
英サン紙(12月27日)も続発する不審死に注目する。記事は2月のウクライナ侵攻以来、新興財閥オリガルヒの富豪らやプーチン氏の批判者たちが故意に殺害されている懸念があると指摘する。転落死のアントフ氏は以前、ソーシャルメディア上で「少女が瓦礫の下から引き出された。少女の父親は死亡したようだ」「母親はコンクリートの厚板の下敷きになっており、クレーンで引っ張り出されるところだ」など、ウクライナへのミサイル攻撃を非難する発言を行っていた。氏はまた、「率直に言って、これをテロ以外の何かだと呼ぶのは極めて難しい」とも主張していた。
◆自殺ではない「邪悪な」計画か
9月には、ロシア石油大手ルクオイル社のラビル・マガノフ会長が死亡している。ワシントン・ポスト紙によると心停止後にモスクワの病院に運び込まれたが、病院の窓から落下して死亡した。同紙は、「自殺か事故か、それとももっと邪悪なものか」をめぐり、ロシア国内でも情報が錯綜したと報じている。氏は侵攻直後、「武力紛争の即時停止」を求める声明を発表していた。
このほかサン紙によると、ロシア鉄道の幹部が突然の自死を遂げるなど、不審死が続々と発生している。ロシア鉄道はウクライナによるサイバー攻撃を阻止できなかったとして、ロシア政府から圧力を受けていたとされる。
ウクライナ侵攻をめぐり、プーチン氏の逆鱗に触れた有力者たちが続々と標的にされている恐れがあるようだ。
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