不満示す中印、苦境に立つプーチン氏 懸念される暴走エスカレート

Mikhail Metzel, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP

 プーチン大統領がウクライナ侵攻を開始してから7ヶ月が過ぎるが、同氏をめぐる情勢は今日最も厳しくなっていると言える。これまでロシアに対する非難や制裁を避けてきた中国やインドがロシアへの不満を示し、そして予備役の部分的動員を発表したことを受けて高まる国民の反発など、プーチン大統領は内外で厳しい立場に追いやられている。

◆不満を示す中国
 9月中旬、プーチン大統領と習近平国家主席がウズベキスタンで約半年ぶりに顔を合わせた。両者が会うのは、ウクライナ侵攻直前、北京五輪開催に合わせてプーチン氏が北京を訪問した時以来だ。この際、明確に両者の間で食い違いがあることが明確になった。

 プーチン大統領は「この半年間でも世界は劇的に変化したが変わらないものが一つある。それは中ロの友情だ」と発言した。一方、習近平氏は「激変する世界で中国はロシアとともに大国の模範を示し、主導的役割を果たす」と言及したものの、ウクライナ問題については無言を貫いた。その後、プーチン大統領は「中国の中立的立場を高く評価する」と発言し、ここで両者の考え方の違いが明確になった。

Text by 本田英寿