「ロシア人観光客をEUから締め出すべき」EU加盟国で意見分かれる
ロシアによる侵攻で多くのウクライナ人が甚大な被害を受けているなか、ロシア人がいまでも欧州連合(EU)域内で旅行を楽しめる事実に批判が出ている。ロシア人へのビザ発給を禁止すべきという意見もあるが、EU諸国の意見は分かれている。
◆人気はヘルシンキ経由 ロシア人旅行者欧州満喫
ロシアのウクライナ侵攻が始まってからEUはロシア機に対し領空を閉鎖したため、ロシア人がEU諸国に渡航する場合、陸路で国境を越えるか非西欧系の航空会社を利用するしかなくなった。そのため、フィンランドがロシア人観光客の「通過国」として便利に利用されており、ヘルシンキ空港の駐車場はロシアのナンバープレートをつけた高級車でいっぱいだという。(AFP)
こうした状況に不満が高まっていることから、フィンランドではロシア人への観光ビザの発給数を9月1日から現在の1割にすると発表した。しかし移動の自由を保障するシェンゲン圏のほかの国で発給されたビザを利用すれば、ロシア人の入国は可能だ。ハンガリー、スペイン、イタリア、オーストリア、ギリシャなどが毎年多くのロシア人にビザを発行しており、こういった国からのビザを得たロシア人は、引き続きヘルシンキ空港を経由して、欧州旅行を楽しむことができる。(同)
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