ラトビアとエストニア、中国との「16+1」離脱 ウクライナ・台湾問題影響か

ロシアのプーチン大統領(左)と中国の習国家主席(北京、2月4日)|Alexei Druzhinin, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP

 バルト3国のラトビアとエストニアが11日、中国との経済協力枠組み16+1から脱退すると表明した。昨年すでにリトアニアが脱退しており、これでバルト3国すべてがこの枠組みから去ることになった。シルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げ中東欧諸国進出に力を入れてきた中国にとって、厳しい展開になりつつある。

◆よりドライな関係へ 2ヶ国離脱
 エストニア政府は、中国主導の枠組みからの離脱を発表し、「ルールに基づく国際秩序と人権などの価値に沿った欧州連合(EU)と中国との関係の促進を含め、中国との建設的かつ実用的な関係に向けて引き続き取り組んでいく」とした。この声明では、昨年2月の首脳会合以来、16+1の会合には一切出席していないことも付け加えられている。(政治誌ポリティコ

 ラトビア外務省も、ラトビアの外交および貿易政策の現在の優先事項を考慮し、16+1への参加を停止すると発表。二国間だけでなく、相互利益、国際法の尊重、人権、国際ルールに沿った秩序に基づくEU・中国間の協力を通じて、今後も中国との建設的かつ実用的な関係のために努力を続けると、エストニアとほぼ同じ内容になっていた。(同)

Text by 山川 真智子