米供与のロケット砲ハイマースが威力発揮 「前線維持に貢献」とウクライナ

M142高機動ロケット砲システム(HIMARS)|Tony Overman / The Olympian via AP

 アメリカが提供する高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」が、ウクライナ軍に目覚ましい戦果をもたらしている。導入された6月以降、従来ウクライナ軍が保有していた火器では届かなかった遠方が射程に入るようになり、ロシア軍の弾薬庫や司令部などを多数破壊できるようになった。

◆5〜6発すべてが硬貨サイズに着弾
 ハイマースの正確な攻撃能力は、ロシア軍を驚かせているようだ。英テレグラフ紙(7月11日)は、前線で活動するロシア軍のブロガーに取材している。ハイマースの着弾を目撃したというこのブロガーは、「何度も砲火をくぐってきたが、5〜6発あるロケット弾のすべてがまさにほぼ1ペニー硬貨(ほどの領域)に着弾した事実に衝撃を受けた」と述べ、ハイマースの正確性を強調した。「MLRS(多連装ロケットシステム)は通常、広い範囲に着弾し、射程の限界付近では扇状に広がる。(ハイマースは)感動的であり、この点に異議はない」と述べている。

 正確性は弾薬の節減にもつながる。AFP(7月15日)は、「この戦争で両陣営が使用してきた多連装ロケットシステムとは異なり、ハイマース・ミサイルは目標を正確に狙うことができるため、少数の使用でも期待を裏切らない」と述べている。

Text by 青葉やまと