米国の非介入主義を考える ウクライナ戦争でも維持、焦る台湾

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◆非介入主義への支持、焦る台湾
 米国の非介入主義への市民の反応はさまざまだ。たとえば米市民の支持率は高い。2月に米国で発表された世論調査によると、「米国がウクライナ情勢で積極的な役割を果たすべきか」との問いに対し、「積極的な役割を果たすべきだ」と回答した人は全体の26%に留まり、「最低限の役割に留めるべき」の52%と「役割を果たすべきではない」の20%を合わせた7割以上が否定的な見解となった。

 一方、台湾市民は今回の米国の出方によって危機感を強めているようだ。台湾で3月に発表された世論調査結果によると、台湾有事に対して米軍が参戦すると回答した人は34.5%となり、昨年10月に実施された同調査の65.0%から30.5%も急落した。この急落はウクライナ情勢が影響していることは間違いないだろう。

◆今後米国はさらに非介入主義を徹底するのか
 米中のパワーバランスが変化してきていること、それによって米国が現実を直視し、同盟国や友好国の役割をこれまで以上に期待していることは間違いない。そして今後も非介入主義が米国の外交・安全保障政策で重要なバロメーターとなり続けることも事実だろう。

 しかし、非介入主義は絶対的なものではない。これを考える上ではある事象がどれほど米国の国益にとって重要かがカギとなる。たとえば、外国にある米国大使館が標的になる、ある国の政府が米国人を意図的に狙った行動を取り続けるなど、重要な国益が侵害されるなどの場合には、その時の米政権が積極的関与を示す場合も出てくるだろう。

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Text by 和田大樹