威力発揮するウクライナ軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」 ロシア装甲車の弱点突く

United States Army / Wikimedia Commons

 ロシア軍の侵攻に対しウクライナ軍が善戦している。多勢に無勢との前評判を覆し、ウクライナ側の発表によるとすでに多数のロシア軍の戦車、その他の装甲車戦闘車を撃破した。現地の抵抗活動を支えているのは、アメリカ製対戦車ミサイルのジャベリンだ。

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◆4キロ先から攻撃
 ジャベリンは戦車の破壊能力を備えた多目的ミサイルであり、肩に担いで使用できることから携行性にも優れる。対装甲車両で高い破壊能力を誇り、さらにその射程は最大4キロに達する。移動速度の速い装甲車に対しても遠方から有利に攻撃を加えることができる。欧州のニュース専門局ユーロ・ニュースによると、いわゆる「ファイア・アンド・フォーゲット(撃ち放し)」に対応し、ミサイル自体に追尾機能を備える。発射後に兵士が照準をキープする必要がなく、直ちに撤収し身を隠せる利点がある。

 元米陸軍兵士のクリントン・ローメシャ氏は、米ニュース誌『コーヒー・オア・ダイ』(2月26日)の取材に応じ、ロシア軍の戦車の装甲は、ジャベリンに耐えることができないと説明している。氏はアフガン戦争での功績が認められ、米名誉勲章の授与を受けた人物だ。説明によると一般的な戦車と同様、ロシア戦車の砲塔上部の装甲はかなり薄くなっている。ジャベリンは「トップ・アタック」の攻撃モードを備えており、砲塔上部に向けた誘導が可能だ。戦車側には爆発物を内包した「爆発反応装甲」があり、これが着弾時の衝撃をある程度緩和するものの、完全に防ぐことは難しい。ローメシャ氏は、「それでも(装甲を)突き抜けるだけの力はあり、車両火災を起こしたり、鎮火装置を誤作動させたりすることができるだろう」と説明している。

Text by 青葉やまと