日英、戦闘機の次世代センサー「ジャガー」を共同開発 テンペスト、F-Xに搭載か

テンペストのモックアップ|Swadim / Wikimedia Commons

◆両国で試作機1台ずつを製作予定
 日英双方は4月から共同作業に入る予定で、イギリスからは75名が計画に参加する。うち40名は高度な技師が占めるという。両国産業界の協力を得ながら、ジャガー・システムの設計から製造、評価までを行う。プロジェクトを通じ、実証のための試作機が日英で各1台ずつ製作される予定だ。英国防省はプレスリリース(2月15日)のなかで、これにより「パートナー両国は致命的脅威を検知することができる最新鋭のセンサー技術を獲得する」と述べている。

 昨年12月には日英間で、共同技術研究に向けた覚書が締結されていた。昨年3月に発表された防衛勅令書では、日本を含むインド太平洋地域の防衛産業とパートナーシップを強化する方針を打ち出しており、今回の共同開発はこれに沿ったものとなる。

◆日本の高レベルの産業に期待
 英国防省によるリリースのなかで、ジェレミー・クイン英国防閣外大臣は「互いの軍隊が軍事的イノベーションの最前線に立ち続けることを目指して、日本のパートナーとかつてなく緊密に協業できることを誇りに思います」「この関係は極めて重要であり、日英は今後数十年にわたり両国を防衛する真に先進的なテクノロジーを獲得すると同時に、相当な投資と高度な技術職の雇用がイギリスと日本において創出されることでしょう」と述べ、日本との共同研究を歓迎している。

 また、レオナルドUKのノーマン・ボーンCEOは「イギリスの航空電子機器のトップかつテンペストの創設メンバーとして、同じように先進的な能力を持ち共に最善の結果を生み出せるような海外のパートナーとぜひ協業したいと考えています」「日本には強固かつ伸びゆく戦闘機産業があり、これはレオナルドと大変相性のよいものです。ジャガー計画ではイギリス中から集結した我々の熟練の科学者とエンジニアたちが、日本側の同様の人々と共に働き、テクノロジーを発展させることで、両国の戦闘機に関する創造的努力に貢献します」と述べ、日本の防衛産業への期待感を示した。

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Text by 青葉やまと