米空母「ジェラルド・R・フォード」、22年配備へ 建造費1.4兆円、最新装備を搭載

Official U.S. Navy Page / flickr

 米海軍の新型原子力空母「ジェラルド・R・フォード」がようやく、来年の配備に向けた最終調整段階に入った。既存のニミッツ級艦と比べて革新的な技術を盛り込んだが、技術トラブルや信頼性問題などに直面。当初の配備予定をすでに3年超過しており、待望の配備となる。

◆半年間の最終メンテナンス
 建造費約130億ドルのジェラルド・R・フォード(以下「フォード」)は、全10隻が計画されている同級艦のネームシップ(一番艦)となる。2017年に就役したもののトラブルが重なり、当初2018年予定とされていた配備時期が大幅にずれ込んでいた。米ワシントン・エグザミナー誌(10月27日)は、「新たなフォード級のネームシップであるこの空母は、新技術などに起因する数々の遅延を経て、目下配備に向けた最終メンテナンス・フェーズの最中である」と報じている。

 フォードは8月21日、東部バージニア州のノーフォーク海軍基地からジェームズ河を挟んで対岸に位置する米最大の民間造船所、ニューポート・ニューズ造船所に移送された。現在は配備に向け、6ヶ月をかけた定期整備(PIA)を受けている。配備を指揮する第12空母打撃群司令官のグレゴリー・ハフマン少将は米海軍協会(10月25日)に対し、「万事順調です。依然として、6ヶ月の整備期間後に出航する予定でいます。大きなトラブルにはまったく見舞われていません。艦長からも造船所からも、非常に、非常に明るい知らせを受け取っています」と述べ、計画通りの進行だと強調した。米海軍は過去20年間、設備面でも人員面でも過度な負担を強いられてきた。フォードをはじめフォード級空母の配備により、負荷の解消が期待されている。

Text by 青葉やまと