「『アフリカを救う』をやめて」仏大統領に強固な姿勢、アフリカの若手活動家たち
10月8日、フランスのモンペリエにて、新アフリカ・フランス首脳会議(Nouveau Sommet Afrique France)が開催された。本会議は首脳会議・サミット(sommet)との名前がついているが、アフリカ側の首脳は一人も招待されず、アフリカの若者たちにスポットが当てられた。会議プログラムのハイライトである全体会議では、エマニュエル・マクロン大統領と11名の若者がパネリストとして登壇し、その様子が中継された。フランスの意図とアフリカの若者たちの意見とは。
◆アフリカ首脳ではなく若者が主役
今回開催された「新」サミットでは、アフリカとフランスの関係の再構築が掲げられている。これまでのサミットと異なる点は、首脳同士の外交的なものではなく、ビジネス界、学界、クリエイティブ業界、スポーツ界などのさまざまな分野における若きチェンジメーカーを巻き込んだ会議であるという点だ。マクロン大統領と若者との対話が繰り広げられた全体会議の前に、個別のトピックに関する議論が行われた。トピックは、市民参画と民主主義、ビジネスとイノベーション、高等教育・リサーチ・イノベーション、文化・伝統に関する協業、クリエイティブ・文化産業、スポーツとアフリカ開発の6つ。会議の主催者はフランス外務省(Ministère de l’Europe et des Affaires étrangères)およびモンペリエ市政府で、日本でいうJICAに相当するフランス開発庁(Agence française de développement)、フランス文化省(Ministère de la Culture)、高等教育・研究・イノベーション省(Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation)、フランス貿易投資庁―ビジネスフランス(Business France)など17のパートナー機関が参画した。サミットには約3000人の観客が招待され、そのうち1100人がアフリカ12ヶ国出身の若者であった。
2017年5月に就任したマクロン大統領は、同年の11月に就任後初の「アフリカ・ツアー」を実行し、3日間でブルキナファソ、コートジボワール、そしてガーナを訪問した。ブルキナファソの首都ワガドゥグでは、ワガドゥグ大学の学生800人に向けて約1時間40分にわたる演説を行った。当時39歳のマクロンは、「皆さんと同様、わたしも植民地時代のアフリカを知らない世代の人間です。同時に、ネルソン・マンデラのアパルトヘイトに対する闘争と勝利を、最もすばらしい政治的瞬間として記憶する世代の人間です」と述べた上で、未来を担う若者に焦点を当て、フランスとアフリカの新しい関係性を構築する、アフリカとともに歩む、といった意思を表明した。今回のサミットは、ワガドゥグ演説以降のさまざまなイニシアティブの進捗を確認するとともに、新たな関係性の枠組みをより明確にするという意図のもと開催された。
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