スイス、385人をアフガンから救出完了 大量難民は拒否

カリン・ケラー・ズッター司法・警察相|Virginia Mayo / AP Photo

 8月15日に政権が崩壊して混乱が続くアフガニスタンでは、外国人に加え、多くの市民が国外へ退避しようと必死だ。目下、実際に何人のアフガニスタン人が出国できているかは不明だが、タリバンが復権する前に退避したアフガニスタン人は、220万人にも上る。加えて350万人が国内で難民状態に陥っているという。

◆スイス人ら27名は未救出
 スイス外務省は、アフガニスタン政権崩壊から約1週間後、現地にいたスイス人らをスイスへ退避させるため、300人乗りのSWISS(スイス国際航空)旅客機を手配した。旅客機が降り立ったのは、アフガニスタンに接するウズベキスタンの首都タシケントの空港だ。

 タシケントには、ドイツ軍事機でアフガニスタンから逃れていたスイス人やスイス外務省の開発協力局(DEZA)カブール事務所に勤務していたアフガニスタン人とその家族、スイスの滞在許可証保持者、緊急パスポート(レセパセ)保持者が待っていた。合計385人がアフガニスタンからスイスに到着した(今回の救出前に一足早くスイスに退避していたスイス人も含む)。このうち、DEZAに勤務していたアフガニスタン人とその家族は218人いる。この218人は、スイス定住対象となった。難民センターに滞在したのち、難民として全国に振り分けられて新しい生活を始めることになる。(スイス外務省

 スイス政府による救出はこれで終了し、外務省は8月27日、ドイツの協力にとくに謝意を示し、救出委員会を解散した。

 しかし外務省によると、アフガニスタンには、スイス人11人とスイスの滞在許可証保持者16人がまだ残っている。外務省は、これらの人たちもアフガニスタンを離れることができるよう努力しているという。

Text by 岩澤 里美