今後の対中関係がポイントになる国々 団結のG7サミットを振り返る

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 次に、韓国の態度変化である。韓国にとって中国は最大貿易国であるので、中国への態度が大きく変わることは考えにくいが、最近の米韓首脳会談も影響してか、文政権は米国や日本に接近する姿勢を見せている。文大統領はG7最中に菅首相に話しかけ、日韓首脳会談を要請したとも言われる。仮にそうなれば、中国の韓国への不信感も高まることだろう。

 一方、今後は欧州と中国との関係が大きなポイントとなろう。習近平主席は2019年3月下旬にローマを訪問し、当時のコンテ首相と会談し、イタリアが一帯一路構想に参加することが明らかとなった。G7に中国の影響力が侵入したということで、当時ほかのG7諸国からは懸念の声が表明されたが、一帯一路にG7で唯一参加するイタリアが今後、対中国で姿勢をどのように転換させるかも見放せないところだ。

◆中国は反外国制裁法を異例のスピードで可決
 中国は今回のG7を「反中主要国会合」と捉えていることだろう。それを思わせるかのように、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は6月10日、ウイグル人権問題などが原因で欧米が中国に制裁を発動するなか、外国が中国に経済制裁などを発動した際に報復することを可能にする「反外国制裁法」を可決した。同法をめぐっては、常務委員会が6月7日に可決に向けての審議を開始し、夏までに可決される見込みだったが、異例のスピードで可決された。

 中国はG7をにらみ反外国制裁法を異例のスピードで可決した可能性が高い。G7といっても、中国側は国によって対中認識に差があることを熟知しており、今後はイタリアやドイツ、フランスと中国との関係がどうなっていくかに注目したいところだ。

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Text by 和田大樹