今後の対中関係がポイントになる国々 団結のG7サミットを振り返る
今年のG7サミットは近年のサミットとはまったく違い、久しぶりにG7の連帯が強く見えた。トランプ政権下の4回のサミットでは、トランプ前大統領がG7の意義を否定し、メルケル首相などと言い合うなど、G7はまさに内紛状態だった。共同声明さえも十分に採択されなかった。今年のG7では一変して内紛の文字は消え、G7の意義が強調される会議となった。これはバイデン政権が誕生したからにほかならない。
◆G7の団結、対中国で一致
英国・コーンウォールでのG7サミットにおける首脳声明では、新疆ウイグル自治区での人権問題や香港、台湾問題への懸念が示され、先進民主主義諸国が一丸となって透明性ある途上国支援を強化する方針が打ち出された。これは事実上、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する「対一帯一路」となり、先進民主主義諸国と中国との対立はいっそう深まるばかりだ。
今回のサミットで筆者が感じたポイントは、米中対立以外に3つある。まず、英国の対中認識だ。今回のサミットホスト国だった英国は、共同声明に中国への懸念を大々的に盛り込むだけでなく、サミットにインド、オーストラリア、韓国を招待し、D10(民主主義10ヶ国)のイメージを内外に示すなど、今後の英中関係の悪化は避けられそうにない。
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