ブレグジット完了から半月 その影響は?

空の棚が目立つ北アイルランドのスーパー(1月11日)|David Young/PA via AP

◆物流の滞りと値上がり
 ブレグジット直後の影響として最も身近なことは、イギリス、欧州大陸双方で物流の滞りが感じられることだろう。たとえば、イギリスで野菜、果物など生鮮食品が不足していることや、フランスにある英スーパーチェーン「マークス&スペンサー」などの欠品が増えていることが報じられている(フィガロ紙(1/12)、フランス24テレビ(1/13))。これは、行政手続きが追加されたことで運搬にかかる時間が長くなっているのが原因だとされている。

 ベルギーのビール会社には1月中のイギリスへの出荷を諦めるところも出ている。というのも、ブレグジットの合意が年末ぎりぎりで成立したため、新たな行政手続きへの準備が間に合わなかったのだ。また、今後は20%の消費税に加えて17.5%の輸出税が上乗せされるため、イギリスでの小売価格はこれまでよりだいぶ高くなる見込みだ(ラ・プレス、1/13)。

◆EUへの肉・乳製品持ち込み禁止
 ブレグジット後の規制では、個人消費であっても、肉や乳製品を含む食品のEU圏への持ち込みは禁止されている。そのため、たとえば、マークス&スペンサーもEU圏内の店舗においては、これまで人気を得ていたサンドイッチやサラダの販売ができなくなった。また、物流を担うトラック運転手も、自分で消費するためにイギリスで購入したハムサンドイッチやチーズサンドイッチを大陸に持ち込めなくなった(キャピタル誌、1/11)。

Text by 冠ゆき