増える中国権益への攻撃 パキスタンで「一帯一路」への反発続く

Tea Talk / Shutterstock.com

◆SLAはバルチスタン解放軍と協力して反中攻撃を強化か
 また、パキスタンで中国権益への攻撃を続ける組織に、南西部バルチスタン州を拠点とし、パキスタンからの分離独立を掲げる武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」という武装勢力がある。BLAは、2018年11月にカラチにある中国領事館を襲撃し、2019年5月にはバルチスタン州グワダルにあるパールコンチネンタルホテルを襲撃。両事件で中国権益を狙ったとの犯行声明を出している。BLAはほかにも中国権益を狙った事件を起こしているが、世界中を見ても、一帯一路構想への反発と抵抗の声をここまで暴力という形で示し続ける武装勢力はいまのところないと言っていいだろう。

 BLAもSLAと同じような考え方を持っている。そして、去年7月には、SLAが2018年末に結成されたBLAの関連組織「Baloch Raji Ajoi Sangar(BRAS)」と共闘関係を構築したとみられ、今後はより大規模かつ計画的な攻撃が発生する恐れがあるとも指摘される。

◆コロナで第2、第3のBLA、SLAが生まれるか
 現在のところ、コロナ禍が終息する見込みはない。我々人類はもうしばらくこの脅威と対峙しなければならないのだろうか。コロナ禍で反中的な暴力が増えているが、それは第2、第3のBLA、SLAを生むのではないかと懸念される。各国の行動や思惑では是々非々があるが、特定の権益や個人を狙ったテロや暴力というものはどんな意図があれ許されるものではない。

【関連記事】
不満を爆発させる中東の若者、一帯一路の中国とぶつかる日は来るのか?
中国領事館への襲撃も 一帯一路への反発と抵抗(1)−パキスタン−
“債務の罠”ではない?「中国の途上国融資=悪」に異論

Text by 和田大樹

Recommends