イラン司令官殺害から1年 トランプは最後に大胆な行動に出るのか
2020年が明けて早々、日本ではオリンピックイヤーだと盛り上がっていたのと同時に、世界では緊張が走った。中東のイラクで、イラン革命防衛隊の対外工作機関「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が米軍によって殺害されたのだ。これによってトランプ政権の米国とイランが一触即発の事態となり、いまにも軍事衝突が始まるのではと、日経平均株価も一時500円安となるなど金融・経済関係者の間で動揺が走った。
幸いにも最悪の事態は回避され、その後は新型コロナ一色となったが、依然として米イラン関係の行方は楽観視できない。
◆任期終了を目前に大胆な行動を取るトランプ大統領
11月の大統領選で再選を果たせなかったトランプ大統領は、任期終了を目前に大胆な行動を取り続けており、アフガニスタンやイラク、ソマリアに駐留する米軍の撤退や縮小、イスラエルとアラブ諸国の国交正常化などで大きな動きを見せている。当然ながら、テロ組織の活動が懸念される国々からの縮小・撤退によって、アルカイダやイスラム国を支持するイスラム過激派の活動が活発化することが懸念される。
また、トランプ政権の積極的な仲介もあって、最近ではモロッコやスーダン、ブータンなどがイスラエルとの国交正常化を発表している。
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