日米豪印「クアッド会議」開催 鮮明になる「対中国」

Nicolas Datiche / Pool Photo via AP

 そして、最大の変化はインドだ。インドはこれまでも日米が主導する「自由で開かれたインド太平洋構想」を重視する姿勢を示してきたが、中国との経済関係も影響し、当時モディ首相は「同構想は排他的なものであってはならない」と発言し、2017年には、日米印の共同軍事演習への参加を打診したオーストラリアの要請を拒否したことがある。中国は同軍事演習の拡大に反対する姿勢を事前に示していた。しかし、中国による南アジアを舞台とした「真珠の首飾り戦略」、新型コロナウイルスの感染拡大以降の中印国境での衝突・緊張は、モディ政権の不信感と怒りを買うこととなった。中印国境での衝突では45年ぶりにインド兵が犠牲となるなど、対中不満を強めるインドはこれまでになく日米豪に接近しようとしている。

◆多国間安全保障協力の構築か
 新型コロナウイルスのパンデミックによって、日米豪印の結束が強まったのは間違いない。そして、このクアッドの枠組みはさらに拡大されようとしている。すなわち、南シナ海問題で中国と対立するベトナムやフィリピン、マレーシアやインドネシア、ニュージーランド、そして南太平洋やインド洋に自治領を持つフランスや英国なども興味を示しており、今後は多国間安全保障協力が構築される可能性もある。

Text by 和田大樹

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