金融・経済へのトランプリスク、今後どうなるのか?

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◆「サンダース氏では勝てない」民主党内部にも
 サンダース氏ではトランプ大統領に勝てないとの懸念は、民主党内部でも中道派を中心に根強い。民主党が大統領に勝てるシナリオ、それはズバリ「バイデン候補で団結できるか」であろう。

 仮に、バイデン候補が本命を勝ち取ったとしても、そのときにサンダース氏との間で大きな溝が生じていれば、トランプ大統領はそこを突いてくることは間違いない。「本命候補で一つになれないのに国を背負っていけるわけがない」など、トランプ大統領が演説で強調するのは想像に難くない。民主党中道派は、いかに党内の左派と一つになれるかを模索していることだろう。

◆トランプリスクは金融市場にどう出るか
 このようななか、トランプリスクの行方を懸念している市場関係者も多いことだろう。2017年の北朝鮮危機や、米中貿易摩擦、今年1月のイラン危機など、
この3年間、その予測不可能性に悩まされてきた人々は多いはずだ。今年に入って早々、中東情勢の先行き不安から株価は大きな影響を受けた。

 トランプ大統領が勝利すれば、上記のような出来事が再び起こるだろう。とくに、コロナ問題を抜きに、米中の経済力は拮抗し続けており、トランプ政権がさらに4年間続けば、同大統領が中国に新たな経済的攻撃を加えることは十分に想定される。

 一方、仮にバイデン氏が勝利すれば、何をするかわからないというトランプリスクはなくなることになる。だが、バイデン氏が政治経済的に中国に妥協することは考えにくく、対中ではそれ相応の厳しい対応も考えられ、それに応じた影響が金融市場に出ることだろう。

 しかし、現在の状況は、前回の大統領選ほど想定外のものにならない可能性が高い。前回の共和党予備選でも、トランプ氏はあまりにも過激だから本命になることはないとの見方が当初は強かったが、結果はそれを真っ向から覆すものだった。トランプ大統領が選ばれた際、日米同盟は大丈夫かと懸念する声はそれまでになく強まった。

 トランプ大統領が再選するというシナリオは十分に想定され、それ相応のリスクヘッジをする市場関係者や投資家も多いことだろう。現在、トランプ大統領の頭の中はいかに本戦で勝つかでいっぱいであり、米権益への威嚇や攻撃があった場合などを除き、各国(イランや北朝鮮、中国など)との緊張の高まりは極力避ける可能性が高い。少なくとも選挙戦まではトーンダウンした政権運営が予想されるのではないだろうか。

Text by 和田大樹

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