金融・経済へのトランプリスク、今後どうなるのか?
新型コロナウイルスの猛威がアジアから欧米に移り、米国の大統領選の行方にも大きな影響を及ぼしている。そのようななかでも、11月の大統領選挙まで時間は刻々と迫っている。前回の寄稿で、筆者は米国大統領選の行方と日米関係という政治的視点から論考を掲載した。では、同大統領選の行方は、経済や金融の世界にはどんな影響を及ぼす可能性があるのか。今週はその視点から考えてみたい。
◆民主党本命はバイデン氏か?
秋での勝利に向け、民主党予備選も刻々と本命候補が台頭しつつある。3月10日に国内6州で行われた民主党予備選の結果、バイデン氏は4州で勝利し、代議員数を786人に伸ばした。645人となったサンダース氏との差をさらに広げ、バイデン氏が本命となる可能性がぐっと高まっている。
バイデン氏は、アイオワ州とニューハンプシャー州で実施された予備選などで出遅れたが、2月29日のサウスカロライナ州の予備選、そして3月3日のスーパーチューズデー(14州中10州で勝利)で躍進し、一気に本命候補に踊り出た。指名候補を勝ち取るには、全米各州に割り当てられた代議員数3979人のうち1991人を獲得する必要があるが、17日に行われるイリノイ、アリゾナ、オハイオ、フロリダの4州での予備選が大きな山場になる。ここでバイデン氏が圧勝するようであれば、左派のサンダース氏はさらに厳しい立場に追いやられる。
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