「日韓問題」にしてはならない日韓GSOMIA
失効期限の11月23日が迫る6時間前、韓国の文在寅政権は、軍事情報包括保護協定「GSOMIA」の破棄を条件つきで撤回すると発表した。これに対し、日本ではさまざまな反応が出たが、とりあえず最悪の結果は回避されたというのが筆者の本音だ。なぜ、韓国はギリギリのタイミングで破棄撤回を決定したのか、また一連の問題の原因はどこにあるのか。今後の行方を探ってみたい。
◆韓国が破棄を撤回した背景
韓国がギリギリになって撤回した背景には、その直前までの米国による強い説得があった。米国の本音からすると、「なぜこんなことで労力を使わないといけないのか?」だろうが、米国の安全保障にも直接関わる問題であることから、米国としてもGSOMIAの失効を回避したい思惑があった。
仮にGSOMIAが失効すれば、それは自衛隊と韓国軍の情報共有がなくなるというオペレーショナルなデメリット以上に、対立国に隙を与えるという政治力学的なデメリットが大きいと米国は認識している。結果論として、とりあえずはGSOMIAが延長されることになったわけだが、もし失効していれば、北朝鮮によるミサイル打ち上げや中国による何らかの威嚇行為(以前のような竹島付近の領空侵犯)があるのではと筆者は想定していた。
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