フランスの次期原潜「シュフラン」竣工 バラクーダ級1番艦 20年に引き渡し

Ludovic Marin / Pool via AP

◆仏海軍の威信示す
 1万人以上が携わるバラクーダ計画は、フランスの威信を懸けた一大プロジェクトだ。その予算規模は90億ユーロ(約1兆900億円)に上る。欧州のニュース専門チャンネル「ユーロニュース」によると、フランス政府は、今後数十年間にわたりフランス海軍の存在感を示すにあたり、この計画が鍵になると捉えているようだ。

 バラクーダ計画の順調な進行を喜ぶのは、フランスだけではない。米ワシントン・エグザミナー誌(7月15日)は、「シュフランはNATOとアメリカが主導する国際秩序をサポートするだろう」と述べ、将来の活躍に期待感を示した。フランス海軍の技能については、米海軍も肯定的に評価しているようだ。ロシア海軍の大西洋展開を阻止するなどにおいて、非常に重要な役割を担うに足る能力があると同誌は捉えている。対中国軍についても同様の役割が期待される。

◆2020年引き渡しに向けて
 製造を統括するネイヴァルグループは現在、造船所におけるシュフランのテストを完了しようと取り組んでいる。数週間以内には原子炉の起動が予定されている。

 AFP通信によるとシュフランは、7月中に海上での最終試験を開始する予定だ。2020年の夏にはフランス海軍への引き渡しが控えている。

 ユーロニュースは、2020年に入ってから海軍側でも最終試験を実施すると報じている。その後10年間で、老朽化が進む現行のルビー級潜水艦を置き換える方針だ。新型のバラクーダ級原潜は、少なくとも2060年ごろまで現役の活用が見込まれている。

Text by 青葉やまと