北極海で権益拡大、中国の「氷上のシルクロード」に米警戒 第3の一帯一路
◆北極海への関与を強める中国
中国の北極海への関与は、近年顕著になっている。中国政府は2018年1月下旬、北極海についての戦略を掲げた「北極白書」を初めて発表し、ロシア側の北極海沿岸を通ってアジアと欧州を結ぶ第3の一帯一路、「氷上のシルクロード」構想を打ち出した。中国は、ロシアやノルウェー、アイスランドやデンマーク領グリーンランドなどへ投資を拡大したり、独自の砕氷船「雪竜」で北極海横断を成功させたりするなど、積極的な関与を見せている。
また、米国とロシア、ノルウェーとデンマーク、カナダなどの沿岸国を加盟国とする北極評議会にも、中国はオブザーバー国として長年参加し、北極開発のルール作りで影響力を高めようとしている。