中国に働きかける米国、ロシアに接近する北朝鮮 首脳会談から1ヶ月

Evan Vucci / AP Photo

 第2回米朝首脳会談から、早くも1ヶ月が過ぎようとしている。両者の会談は非核化のプロセスをめぐって事実上決裂し、共同声明が発表されない形で終了した。それ以降、北朝鮮が核・ミサイル施設の復旧作業に着手しているなどの報道はあったが、利害関係国の安全保障政策に直接影響を与えるような動きは今日まで見せていない。しかし、北朝鮮は、次なる手を打つために何かしらの行動に出てくる。米国はそれを注視している。2回目の会談を受け、現在、ボールは北朝鮮側にある。

◆韓国を揺さぶる北朝鮮
 北朝鮮は22日、開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所から撤退した。韓国側は同日朝に北朝鮮側から撤退するとの連絡を受けたが、北朝鮮側は上層部からの指示以外の理由は明示しなかったという。しかし、韓国の統一省は25日、南北共同連絡事務所の北朝鮮側オフィスに複数の関係者が戻って勤務していると報じた。

                                                                                                                 

 去年以降、南北の指導者は2回も会談し、文在寅政権は北への経済協力に積極的な姿勢を示し、金正恩氏も今年の新年祝辞の挨拶の際、開城工業団地の事業再開に言及した。しかし、第2回会談が決裂したことで、北朝鮮の間では米国だけでなく、韓国への不満も大きくなっている。一方、第2回会談の結果、もっとも難しい舵取りを余儀なくされているのは文在寅大統領で、今後の韓国の出方次第で北朝鮮の行動が変わってくることも考えられる。

Text by 和田大樹