中国初の国産空母「001A型」、4月に就役か 着々と強化される空母艦隊

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◆超大型艦含む空母6隻体制の布石か
 中国は2030年代までに6隻の空母を揃える計画だとされている。上海で建造中の3隻目は、前2隻と同じ非原子力の通常型空母だが、スキージャンプ台型甲板ではなく、より重量の重い航空機を離陸させることのできる電磁式カタパルトを装備すると見られている。これは、次世代ステルス戦闘機FC-31(J-31)の運用を想定したものと言われている。

 米防衛誌ナショナル・インタレストは、中国の6隻の空母保有計画は、「巨額の予算を必要とすることを度外視すれば理に適っている」としている。中国艦隊は北部・東部・南部の3つの地区艦隊に分かれており、各地区に2隻ずつ配備すれば計6隻となるからだ。艦隊で空母を常に稼働させるには、1隻を実戦配備し、1隻をメンテナンスに回すローテーションを組まなければならない。つまり、1つの艦隊に最低2隻は必要で、米海軍もこの方式を取っている。

 5隻目と6隻目は原子力空母となり、世界最大の空母である米フォード級やニミッツ級に匹敵するものになると見る軍事専門もいる。遼寧・001Aの旧式の「スキージャンプ台コンビ」は中国の沿岸近くに配備され、今後登場する大型艦は太平洋・インド洋の外洋に進出するという見方が強い。そうなれば、米海軍や海上自衛隊と直接対峙するのは難敵の方となろう。遼寧と001Aは米海軍の空母に対して力は大きく劣るが、未来の新鋭大型空母を見据えた乗員・パイロットの育成、司令部の空母運用能力の礎にもなると考えれば、決して侮れない戦力だ。

Text by 内村 浩介