中国初の国産空母「001A型」、4月に就役か 着々と強化される空母艦隊

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 中国の2隻目の空母が先週、4度目の試験航海を終え、今年4月にも配備される見込みだ。これに合わせ、中国海軍は今年、空母艦載機パイロットの募集を約2倍に増やしている。中国は2030年代半ばまでに6隻の空母を保有する計画だと言われており、それに向けて着々と段階を踏んでいるようだ。

◆先代を上回るペースの開発スピード
 2017年4月に進水した001A型と呼ばれている中国2隻目の空母は今月10日、過去最長の13日間の試験航海を終え、黄海から母港の大連に帰還した。今回の試験航海では、出発時に艦載機のJ-15と、ジェットエンジンの排気炎から甲板と乗組員を保護するジェットブラスト・ディフレクターが搭載されているのが確認された。帰港時にもJ-15とヘリコプターの姿が見られ、低空飛行訓練や離着陸訓練が行われたと見られる。北京の軍事専門家、リー・ジエ氏によれば、試験は最終段階にあり、「80-90%完了した」という(香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト=SCMP)。

 001A型は、2012年に就役した中国初の空母「遼寧」の発展型。遼寧は、旧ソ連で設計された「アドミラル・クズネツォフ」を建造途中にウクライナから購入し、中国で完成させた艦だが、001A型はそれを元に再設計した初の純国産空母になる。001A型は「遼寧」と同じ旧式のスキージャンプ台型甲板を備えているが、管制塔やブリッジを一新し、レーダーや電子装備を改良した。満載排水量は7万トン、全長315m、32機のJ-15戦闘機を搭載できるとされる。

 今年4月23日に山東省・青島(チンタオ)で中国海軍創設70周年記念の国際観艦式が予定されており、リー氏は、001A型の就役をそれに間に合わせるつもりなのではないかと見ている。この観艦式には、日本の海上自衛隊も艦艇の派遣を検討しており、001A型のお披露目には絶好の機会だ。同艦は2017年4月に進水し、2018年5月からこれまで4回の試験航海を重ねた。4月に配備となれば、13ヶ月半の試験航海期間を経た遼寧よりも早いペースでの初航海—就役となる。遼寧の経験が生かされて空母の開発スピードは上がっていると、リー氏はSCMPに語っている。

Text by 内村 浩介