日本に空母は必要か? 米防衛メディアが分析 鍵となる2つの課題
◆離島防衛のために空母は「理にかなっている」
日本は、第1次世界大戦で世界に先駆けて空母を中心に据えた作戦を展開し、太平洋戦争でも積極的に運用した空母のパイオニアだ。しかし、言うまでもなく、戦後の平和憲法は「攻撃的兵器」の保有を認めていない。そのため、「いずも型」をめぐる空母保有論には常に、空母は「攻撃的兵器」なのか、「防衛的兵器」たり得るのか、という議論がつきまとっている。
そのなかで、米防衛誌ナショナル・インタレスト(電子版)は、「空母の能力は攻撃的役割に限定されているわけではない」と指摘する。「(空母は)味方の水上艦と基地を敵の攻撃から守るために戦闘機を展開できるし、敵の船や潜水艦の位置を把握するために偵察機とヘリコプターを発進させることもできる」と、空母の能力は攻撃だけでなく、防衛任務や偵察にも活用できるとしている。日本が特に注力する尖閣諸島などの離島防衛には、空母は有効な手段の一つだという考えだ。
同誌は、「日本の空母への回帰は、間違いなく帝国時代の武勇に結び付けられるだろう」と、中国や韓国の反発を予想する。しかし、「ブラジルなどの他国は、拡張主義とは関係なく空母を運用している。日本のような裕福な島国が、離島を守り、領海をパトロールするのに数隻の空母を運用するのは十分理にかなっている」と、日本の空母保有に理解を示している。