南北離散家族の再会、3年ぶりに開催 交渉カードにする北、高齢化する参加者

Lee Ji-eun / Yonhap via AP

 8月20日、韓国の何十人もの高齢者が、朝鮮戦争の騒乱によって生き別れになって以来ほとんど会う機会のなかった家族と感動の再会を果たそうと、堅固に要塞化された国境を超えて北朝鮮に入国した。

 催しは、北朝鮮のリゾート地である金剛山で1週間にわたり行われた。アメリカ本土を確実に狙う核兵器武装を進める北朝鮮との膠着状態を解決すべく外交的圧力が加えられる中で、北朝鮮の敵対国である韓国が和解努力を推進してきた結果、実現に至った。

 この一時的な再会は非常に感動的なものとなった。参加者の大半が高齢を迎え、死ぬ前に何としても愛する家族たちに一目でも会っておきたい、と切望した末にかなった再会だからだ。離散家族の大半は1950年~53年の朝鮮戦争中に離れ離れとなってしまった。現在は休戦協定が結ばれているが、必ずしも平和条約が締結されたわけではなく、朝鮮半島は依然、戦争状態におかれたままである。

                                                                                                                 

 およそ90人の韓国側の高齢者とその家族たちを乗せたバスは、国境を超えて北朝鮮に入った後、リゾート地の金剛山へ向かった。早朝、韓国側の高齢者たちは、車椅子を利用する人たちを含め赤十字の職員に付き添われながらバスを降り、高城郡東部の国境にある韓国の入国管理所へ入った。

 彼らは、20日の午後から始まる3日間の再会期間中、長期間にわたり北朝鮮で消息不明だった血縁者たちと再会することになる。ソウルの韓国統一省によると、17日から19日まで個別に行われた離散家族の再会にはさらに300人以上の韓国の人たちが参加した、という。

 過去の再会では、高齢の韓国の人たちが号泣したり、強く抱きしめ合ったりして互いを愛おしむ姿があちこちで見られた。2000年以降、20回にわたって開催された再会の場には合計でおよそ2万人の人たちが参加している。また、2005年から2007年までの間に3,700人の人々が北朝鮮に残された血縁者とごく短時間のビデオメッセージを交換した。

 離散家族と2度目の再会の機会を得た人は誰もいない。

 韓国側の参加者の多くは北朝鮮で生まれ、韓国へ移った戦争難民であり、北朝鮮に残してきた兄弟姉妹や子供たちと再会する。そんな彼らの多くは70歳を超えた高齢者だ。

 大邱広域市南部の都市の出身で88歳になる朝鮮戦争の従軍経験者、パク・ホンソ氏は、これまで自分は戦闘中に兄と対戦したのかどうかをいつも気にかけていた、と語った。

 パク氏の兄はソウル大学を卒業後、1946年に北朝鮮の港町であるウォンサンに歯医者として定住した。戦争が勃発した後、パク氏は、兄には北朝鮮に家族がおり、しかも兄は北朝鮮軍の従軍外科医だったため韓国へ逃亡することを拒否した、という話を同僚から聞かされた。

 パク氏は学生兵として韓国のために戦い、1950年10月にウォンサンを奪取した同盟軍に参加していた。中国が武力介入を始めた後の数週間、アメリカ主導の軍隊は大量の中国軍の反撃に遭って退却を余儀なくされるまでさらに北へと侵攻した。

 パク氏は、1984年に兄が死亡した、と知った。パク氏は金剛山で北朝鮮にいる74歳の甥と69歳の姪にそれぞれ会う予定だ。

 インタビューに対し、パク氏は「私は、兄の遺志が何だったのか、そして私について何を言ったのかを甥と姪に尋ねるつもりだ。私がウォンサンにいたとき、兄が私に会う機会があったのかどうかを確かめいと思う」と語った。

 離散家族の再会が最後に実施されてから3年間、北朝鮮は、アメリカ本土を射程範囲内にとらえる可能性を誇示する3つの核兵器と複数のミサイルのテストを行った。

 北朝鮮は、ここ数ヵ月、外交を受け入れる姿勢へと傾いている。指導者の金正恩氏と、北朝鮮で生まれ、戦争難民の子息である韓国の文在寅大統領は、今年4月、最初に行われた2回の首脳会談の冒頭で、中断していた離散家族の再会を再開することに同意した。

 韓国は、離れ離れになった家族たちを戦争が生み出した最大の人道問題であるとみなしている。朝鮮戦争では何百万人もの人々が死傷し、朝鮮半島が完全に北と南に分断されてしまった。韓国統一省は、現在およそ60~70万人の韓国の人たちがごく近い親戚やその子孫を北朝鮮に残していると推定している。

 しかし、これまで長年にわたって韓国政府は、より多くの再会の機会を設け、さらに多くの離散家族が再会できるよう北朝鮮の金正恩体制への説得を試みているが、いまだその成果は見られない。

 韓国の当局者によると、再会の機会が限定され過ぎているため、すでに80歳や90歳という高齢に差し掛かっている大半の離散家族の人々の望みを叶えることができないという。韓国統一省によると、再会の場への参加に応募した13万2千人の国民のうち、すでに7万5千人以上が死亡している。

 北朝鮮は、再会を重要な交渉の切り札と考えており、国民たちに、外界がどれだけ素晴らしい世界なのかを悟られたくないため、再会の機会を増やそうとしないのだとアナリストたちは語る。再会の場への参加者を選ぶ際、韓国はコンピューター化された抽選システムを使うのに対し、北朝鮮は金正恩氏の権威主義的リーダーシップに対し強い忠誠心を持っているかどうかを基準に選んでいる、と信じられている。

By HYUNG-JIN KIM and KIM TONG-HYUNG, Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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