「宇宙軍」創設、トランプ政権の狙いは? 中露との争い、20年大統領選……
米トランプ政権が、2020年までに「宇宙軍」を創設すると表明した。「宇宙軍」(Space Force)という名称には、SFチックで荒唐無稽な響きがあるが、トランプ政権は至って本気だ。ペンス副大統領が9日、ペンタゴン(米国防総省)で、具体的なタイムラインを含む詳細を発表した。空軍などの一部に宇宙の専門部隊を作るという話ではなく、陸海空軍などと並ぶ新たな軍を作るという壮大な計画だ。実現すれば1947年の空軍新設以来となる。
◆マティス国防長官の同席が示す「本気度」
トランプ大統領はかねてから宇宙軍の創設に意欲的だと言われ、今年6月あたりから「宇宙軍が欲しい」と公言するようになっていた。そして、ペンス副大統領の口を通じて9日、「ついにアメリカ合衆国宇宙軍を創設する時が来た」と高らかに宣言した。トランプ氏自身も直後に、「宇宙軍がやってくる!」とツイートした(ワシントン・ポスト紙)。
ペンス氏の発表の骨子は、1)「宇宙軍」は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊に次ぐ6番目の「軍」になる。2)2020年の創設を目指す。3)創設の進行を統括するアドバイザー役として、国防省内に宇宙防衛次官補職を置く。同職は民間から登用する。4)第一段階として、年内に国防総省内に「宇宙司令部」を置く——といったかなり具体的なものだ。
現代アメリカの宇宙開発をテーマにした著作があるジャーナリストのマーク・ウィッティントン氏は、ペンス氏が掲げたタイムラインは「非常にアグレッシブ」で、「宇宙軍はすぐにでも創設されそうな勢いだ」と、政治専門紙ザ・ヒルに書いた。同氏は特に、これまで宇宙軍創設に懐疑的な立場を取っていたマティス国防長官がペンス氏の会見に同席したことに着目。これが本気度を示すバロメーターだとしている。
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