ダイヤモンド採掘国のシエラレオネの現地住民が豊かになれない理由とは
◆対応が迫られる重要な課題
国際的なトレーダーが多額の報酬を得る一方、実際にダイヤモンドを採掘する人々は、貧困と苦難という現実と向き合っている。多くの採掘作業は政府の監視が行き届かない、ギニアやリベリアとの国境付近といった遠隔地で行われている。
ダイヤモンド人力採掘業が無秩序な体質にあるということは、多くのダイヤモンド掘削業者が買い手と仲買人による搾取関係に終始するということだ。彼らは貧困と借金のループにとらわれることになる。このような搾取に対処するため、そしてサプライチェーンの最下部にいる未登録の採掘者やその家族に権利を与えるため、いくばくかの取り組みは実施されているものの、すべきことはまだある。この分野をより持続可能なものにするためのカギは、その形式を整えること、そして地元のガバナンスを改善していくことだと主張する者もいる。
しかし、いまだに採掘作業の多くは非公式に行われている。この分野の現状を作っているのは、多くの既得権益者だ。非公式で無秩序な今の状況から恩恵を受けるものがあまりにも多い。
シエラレオネ政府と政策立案者がダイヤモンド採掘における貧困と不平等を解消したいのであれば、この採掘業界の現実をより深く理解する必要がある。
人力採掘は今後長きにわたり、シエラレオネの主要産業であり続けるだろう。しかし、それは常に搾取と貧困という性質をもつ産業だ。
地方レベルのガバナンスの課題を解消すること、そしてダイヤモンドの管理や意思決定にはたらく権力にどう対処するか、ということが重要だ。すべてが始まる場所、つまりダイヤモンドが採掘される地域に、より多くの恩恵をしっかりと残していくためには、それが唯一の方法なのだ。
This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by isshi via Conyac